ロード・ダンセーニと共に魔法の国の旅人に
Ёロード・ダンセーニと共に魔法の国の旅人に
『ペガーナの神々』を書いたアイルランドの小説家である、ダンセーニ男爵。その名のごとくエメラルドの島とよばれたターラの丘陵(ミース州)の居城の18代城主なのだ。
ケルトの古典文化の中で成長し、アイルランド文化を矜持し、オリヴァー・ゴーガティ、ウィリアム・バトラー・イエーツ、イザベラ・グレゴリー夫人らと、ダンセーニ男爵は交友し、「アイルランド・ルネッサンス運動」ともいうべき文芸復興活動を興す。
ケルト・ルネッサンスの伝説から抜け出てきたような人だ。そのケルティックなダンセーニの処女物語集が『ペガーナの神々』。
ダンセーニがつくりあげた架空の場所ペガーナ。アイルランド人ならば、どこかにありそうだとすぐに思える場所に、どこからかやってきた遊び好きな神々がちょっとの間だけ存在し、やがて消えていく国のことを物語にした。移ろっていく景色を眺めながら秘密への扉を開けたときめきの感覚を思い起こさせる場所、それがペガーナと。
ある朝、鳥たちの鳴き声に起こされた夕闇が、戸を開けるとそこには朝日の光の中で夜の闇が影法師になっていた。雲が日差しを遮るとそれは朝日とダンスを始めて、歌いだしだ。
”ダンス、ダンス、ダンス、恋人よ
さあ、手をとっておくれ
叶わぬ願いと知っているが
ダンス、ダンス、ダンス、恋人よ
さあ、笑っておくれ
私の望みを叶えておくれ
ダンス、ダンス、ダンス・・・、恋人よ”
林 海童
бロード・ダンセーニ
ロード・ダンセーニ(Lord Dunsany 1878年7月24日〜1957年10月25日)は、本名をエドワード・ジョン・モアトン・ドラックス・プランケット、18代ダンセーニ男爵(Edward John Moreton Drax Plunkett, 18th Baron Dunsany)と言う。アイルランド出身のファンタジー小説家、詩人、戯曲家。ダブリン近郊の名門貴族。イートンとサンドハーストに学び、ボーア戦争と第一次世界大戦に出征した。「ペガーナの神々」を代表とする6冊の初期短編集と長編「エルフランドの王女」によって20世紀のファンタジーに決定的な影響力を与えた。ウィリアム・バトラー・イェイツに誘われてアイルランド演劇運動のために一幕劇「光の門」を書き、劇作家としての履歴をスタートさせた。
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