ウィリアム・ブロクノーの『15時間の核戦争』

Ёウィリアム・ブロクノー『15時間の核戦争』

 アメリカの軍事的優位に苛立ったソ連アメリカ本土に不意打ちの核攻撃を仕掛けた。その核ミサイルに襲撃される直前に、基地を飛び立ったB52戦略爆撃機の搭乗員たちが報復攻撃に向かう。物語は、この搭乗員たちが核で炎上している地球を背景に、いかなる行動をとるかを軸に展開している。
 これはジョゼフ・ヘラーが『キャッチ22』で描いた狂気の世界の再現を思わせる。『キャッチ22』では

キャッチ=22 下 (ハヤカワ文庫 NV 134)

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キャッチ=22 上 (ハヤカワ文庫 NV 133)

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キャッチ22 [DVD]

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、「キャッチ22」と呼ばれた架空の軍規が兵士たちに攻撃を強いるが、この『15時間の核戦争』では、PRF(人格信頼検査)という核兵器を扱う軍人に正常を義務付ける検査が登場している。
 人類が破滅しつつある時に正常であるとはどうゆうことなのか、B52の搭乗員たちに迫ってくる狂気の世界との戦いが実に印象的に描かれている。
 このようなシュミレーション小説では、トムクランシーの『レッドオクトーバーを追え』
レッド・オクトーバーを追え! [DVD]

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、ネヴィル・シュート『渚にて
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はお勧め。

 бウィリアム・ブロクノー『15時間の核戦争』(後藤安彦訳)ハヤカワ文庫NV


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