10CC

Ё10CC

<メロディー・メイカー・コンビ>
 エリック・スチュアート(ギター、キードード)とグレアム・グールドマン(ベース)、この二人は、10CCが分裂した後も、バンドの名を引き継ぎ活動を続けたコンビで、バンドのメロディー・メイカーであり顔でもありました。もちろん、名曲「アイム・ノット・イン・ラブ」は、このコンビの作品です。
 もともとグレアム・グールドマンは、60年代の人気ポップ・グループホリーズの大ヒット曲「バス・ストップ」の作者として有名な売れっ子ソング・ライターでした。彼は、1965年ごろに活躍していた英国の人気バンド、マインド・ベンダーズのリーダー、エリック・スチュアートに誘われて、バンドの一員となりました。その後、このバンドは解散しますが、1968年にスチュアートが、ケヴィン・ゴドレイ、ロル・クレームとともに新グループ、ホット・レッグスを結成すると、再びグレアムはそこに呼ばれ、ついに10CCが完成したわけです。
<不朽の名作「オリジナル・サウンドトラック」>
 1975年の「オリジナル・サウンドトラック」は、そんな作品群の中でも文句なしの最高傑作と言えます。架空の映画のためのサウンドトラック・アルバムというアイデアもさることながら、名曲「アイム・ノット・イン・ラブ」やクイーンにも間違いなく影響を与えたであろうオペラ風ドラマ作品「パリの一夜」など、どの曲も未だに輝きを失っていません。
<これも傑作「ハウ・デア・ユー」>
 傑作アルバム「オリジナル・サウンドトラック」のおかげで、影が薄くなっていますが、1976年の「ハウ・デア・ユー」も、文句なしの傑作です。(個人的には、僕はこのアルバムの方が好きです)すべての曲が電話でのいろいろな会話を元に作られていて、それぞれ面白いストーリーをもつ曲に仕上げるという一歩間違えばアイデア倒れになるような凝った内容ですが、これもまたポップで、ブラックな素晴らしい作品に仕上がっていました。
<必然だった分裂、解散>
 こうして驚異的な二枚のアルバムを発表して、10CCはあっさりと分裂しました。二つのユニットの方向性の違いが、その原因でしたが、考えてみると、それまで4人が一緒にやってこられたことの方が不思議だったのかもしれません。そして、それだけ個性的な二つの音楽性が一つになったからこそ、あの時代を越える名作が生まれたのかもしれません。
<隠れた名曲「我が愛のフィルム」>
 「オリジナル・サウンドトラック」のラスト・ナンバー「我が愛のフィルム」は、僕の一番好きな曲です。そして、僕はこれこそ最も10CCらさが現れた曲だと思います。歌詞に込められた映画への愛は、映画ファンならうれしくてたまらないものです。そしてそれは、その後彼らが音楽映像分野の第一人者になることを、予言する作品でもありました。
この記事は、http://www3.ocn.ne.jp/~zip2000/10CC.htmサイトよりの転載)





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